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「金融法委員会」設立趣意書

 

(設立の経緯)

1.近年、国際化、自由化の進展や技術革新等を背景に、金融取引の生成発展の速度が著しく高まっている。例えば、世界の金融センターにおいて、各種のデリバティブ取引を始め新しい類型の金融取引が、次々に登場し発展している。しかしながら、これらの取引に適用される法的ルールは、必ずしもその速度に対応して発展しているとは言えない。そのため、一方では、市場や環境の変化に対応して適切な金融取引を考案していくためには、法的な対応の面でも緊急性が要求される場合が少なくないにもかかわらず、他方では、それぞれの国の法体系の下で、法的な不確実性が従来にも増して高まっている。とくにわが国においては、判例の集積が乏しく、また、実務界・学界の共同作業による研究も十分とは言えず、法的な不確実性が高い分野が少なくない。そして、わが国では、法的な不確実性が存在すると取引を敬遠してしまう傾向もまま見られる。これは、わが国の金融市場が自由で公正な国際市場として機能するための大きな障害ともなりかねない。

  金融法委員会は、わが国の金融取引を巡るこのような状況に対処するため、金融取引について実務経験を有する弁護士および金融取引に関する法律を専門とする学者が自発的に設立した委員会である。

(目的)

2.金融法委員会の目的は、金融分野において実務上困難を招来していると考えられる法律問題について、それぞれの問題の性格に応じ、適切な解決方法を提言することによって、金融取引に関するルールの透明性を高め、わが国の金融分野における法的不確実性を可能な限り取り除いていこうとすることにある。提言の形態は、論点整理、解釈論の呈示、立法提案といったさまざまのものが考えられるが、いずれも、印刷物および金融法委員会が開設するホームページに和文、英文で公表する。

(代表)

3.金融法委員会の代表は、委員の互選によるものとするが、設立時における代表は、神田秀樹(東京大学大学院法学政治学研究科 教授)および和仁亮裕(外国法共同事業法律事務所リンクレーターズ 弁護士)とする。

(事務局)

4.金融法委員会の事務局としての事務は、日本銀行に委託する。

以  上

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